強迫性障害とは |
|
つい不安になって確認してしまうことは、誰でも経験することです。しかし、何度確認しても不安がおさまらない状態にまでエスカレートしてしまうことがあります。このような強いこだわりが習慣的になり、日常生活や社会生活に支障をきたしてしまう心の病気が「強迫性障害」です。
英語でObsessive Compuisive Disorderというため、最近では頭文字をとって「OCD」といわれています。近年、OCDに有効な薬が開発され、適切な治療を続ければ症状は改善されるようになってきました。 |
|
強迫症状とは |
|
強迫性障害の症状は、「強迫観念」と「強迫行為」からなります。両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されません。強迫症状はストレスにより悪化する傾向にあります。
|
強迫観念とは |
|
本人の意志と無関係に頭に浮かぶ、不快感や不安感を生じさせる観念を指します。強迫観念の内容の多くは普通の人にも見られるものですが、普通の人がそれを大して気にせずにいられるのに対し、強迫性障害の患者さんの場合は、これが強く感じられたり長く続くために強い苦痛を感じているのです。
|
強迫行為とは |
|
不快な存在である強迫観念を打ち消したり、振り払うための行為で、強迫観念同様に不合理なものですが、それをやめると不安や不快感が伴うためになかなか止めることができません。その行動は患者さんや場合によって異なりますが、いくつかに分類が可能で、周囲から見て全く理解不能な行動でも、患者さん自身には何らかの意味付けが生じている場合が多いのです。 |
大半の患者さんは、自らの強迫症状が奇異であったり、不条理であるという自覚を持っているため、思い悩んだり、恥の意識を持っている場合が多く。また、強迫観念の内容によっては罪の意識を感じていることもあります。そのため、自分だけの秘密として家族に内緒で強迫行為を行ったり、理不尽な理由をつけて誤魔化そうとすることがあります。逆に自身で処理しきれない不安を払拭するために、家族に強迫行為を手伝わせようとする場合もあります。
原則として強迫観念や強迫行動の対象は自身に向けられたものであり、これによって患者さんが非社会的になっても、反社会的行動に結びつくことはありません
|
受診の目安は |
|
自分の行為に対して「少しやりすぎかも」と思っているにもかかわらず、どんどんエスカレートしてしまうようなときや、繰り返し行なう行為により、1日1時間以上費やしてしまっている場合も疑ってみる必要があります。
OCDによる強迫観念や強迫行為は自分自身の性格だから仕方がないというものではありません。早期に適切な治療を行なえば治る病気なのです。
|
|