ある社会環境においてうまく適応することができず、さまざまな心身の症状があらわれて社会生活に支障をきたすものを適応障害といいます。
人は、新しい環境や状況変化等に慣れて社会適応するためには、さまざまな苦労をしたり不安を抱いたりして、いろいろな工夫や選択・決断をする必要にせまられることはよくあることです。
入学、就職、部署移動や結婚など色々なことに出会い、その都度対応していきます。それらがうまくいかなくなった場合には、会社では職場不適応、学校では登校拒否(不登校)、家庭では別居あるいは離婚などといった形であらわれたりします。
症状としては、不安、抑うつ、焦燥、過敏、混乱などの精神症状、不眠、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、頭痛、肩こり、腹痛などの身体症状、遅刻、欠勤、早退、過剰飲酒、ギャンブルなどの行動が出たりします。次第に対人関係や社会的機能が損なわれ、仕事にも支障をきたし、引きこもってうつ状態を呈することもあります。
治療は、まず原因となっている心理社会的ストレスを軽減することが第一です。しっかりとした休養や周囲のサポートも大切です。また、不安を主とする場合は抗不安薬、うつ症状を主とする場合は抗うつ薬の服薬など、それぞれの病型に応じて薬物療法が必要な場合もあります。症状などに心当たりがあれば、専門医の受診をお勧めします。 |